聖書は環境管理について何を教えていますか?

聖書は環境とそれに対する私たちの責任について何と言っていますか? 多くの人は、聖書は倫理道徳（つまり、嘘をつかない、だまさない、盗まない）だけを扱っていると考えています。あるいは、それは天国での死後の世界にのみ関係していると思っているかもしれません。しかし、人類、地球、そしてそこに住む生命との関係、及び私たちの責任は聖書の最初のページで紹介されています。

聖書には、神が人類をご自身の姿に似せて創造されたと記載されています。同時に神は人類に最初の使命を与えました。聖書には次のように記録されています。

26 そして最後に、神はこう言われました。「さあ、人間を造ろう。地と空と海のあらゆる生き物を治めさせるために、われわれに最も近い、われわれのかたちに似せて人間を造ろう。」 27 このように人間は、天地を造った神の特性を持つ者として、男と女とに創造されました。

²⁸ 神は人間を祝福して言われました。「地に増え広がり、大地を治めよ。あなたがたは、魚と鳥とすべての動物の主人なのだ。

創世記 1:26-28

神が所有権を保持する

「征服せよ」と「支配せよ」という命令を、神が人類に自分の思い通りにできるように世界を与えたという意味だと誤解している人がいます。この考え方では、私たちは地球とその生態系を気まぐれに、自由に「支配」することができます。神は最初から創造物から手を引き、私たちに、好きなように支配させたのです。

しかし聖書は、人類が今世界を「所有」し、自分たちの好きなように扱うとは決して述べていません。聖書の中で何度も、神は世界の所有権を保有していると主張しています。紀元前1500年頃に神がモーセを通して言ったことについて考えてみましょう。

⁵ もし、わたしに従い、契約を守るなら、あなたがたは地上のあらゆる国々の中にあって、わたしの大切な民となる。全世界はわたしのものだからだ。

出エジプト記 19:5

そして紀元前1000年頃のダビデを通して

^10-11 野原や林の獣は、

もともとわたしのものなのだから。

千の丘で草をはむ家畜も、

山の鳥もみな、わたしのものである。

詩篇 50:10-11

イエス自身も、神はこの世界の動物たちの状態に積極的な関心を持ち、詳細な知識を持っていると教えました。彼の教えは次のとおりです：

²⁹ たった一羽の雀でさえ、あなたがたの天の父の許しなしに地に落ちることはありません。 

マタイの福音書 10:29

管理者である私たち

人類に与えられた役割をより正確に理解するには、私たちを「管理者」として考えることが必要です。イエスは、神と人間の関係を説明するために、教えの中で何度もこのイメージを使いました。ここに一例を示します。

¹⁶ さてイエスは、弟子たちにも話をされました。「ある金持ちが会計の管理者を雇いました。ところが、この管理者はずる賢い男で数字をごまかしている、といううわさを聞きました。 2 さっそく金持ちは彼を呼びつけて、言いました。『帳簿をごまかしているという、もっぱらのうわさだ。なんということをしたのか。もう任せておけないから、やめてもらおう。報告書を出しなさい。』

ルカの福音書 16:1-2

このたとえ話では、神は「金持ち」、つまりすべての所有者であり、私たちはその管理者です。ある時点で、私たちは神の所有物をどのように管理したかによって評価されるでしょう。イエスは多くの教えの中で一貫してこの関係を用いています。

この考え方では、私たちは年金基金の管理者に似ています。彼らは、年金基金を所有しているわけではなく、年金を支払っている人々が所有者です。この基金の管理者には、年金受給者の利益のために年金基金を投資および管理する権限が委任されています。彼らが無能だったり、怠け者だったり、仕事が悪い場合、所有者は彼らを他の人と交代させます。

したがって、神は創造物の「所有者」であり続け、それを適切に管理する権限と責任を私たちに委任しました。したがって、創造に関して神の目標と関心が何であるかを知ることが賢明です。このことは、神の命令のいくつかを調べることによって知ることができます。

神の創造に対する神の心は神の命令を通して明らかにされる

過越の祭りと十戒の授与の後、モーセは、約束の地において、新しいイスラエル国家がどのように確立されるべきかについて、さらに詳細な指示を受けました。環境に関する神の心の価値観を可視化する指示について考えてみましょう。

25 1-2 モーセがまだシナイ山にいる間に、主は次のような人々への指示を彼に与えました。「わたしが与えようとしている国に着いたら、七年に一度は土地を休ませなさい。 3 六年間は畑に種をまき、ぶどう園の手入れをして収穫を上げるがいい。 4 だが七年目は休耕して、主の前に土地を休ませなさい。種をまいたり、ぶどう園の手入れをしたりしてはならない。

レビ記 25:1-4

他の国々や当時（3500年前）の慣行とは異なり、そして今日の通常の慣行とも異なるのは、この命令が土地を毎七年間休ませることを保証したことです。したがって、土地は規則的かつ周期的な「休息」を持つことができます。この休息の間に、重労働で枯渇した栄養素を補充することができます。この命令は、神が短期的な採掘よりも長期的な環境持続可能性を重視していることを示しています。この原則を魚の資源などの環境資源にも適用できます。漁業を季節ごとに制限したり、漁業を一時停止して、過剰漁獲された魚の資源が回復するのを待つことができます。この命令は、水、野生生物、魚の資源、森林など、自然資源を枯渇させるすべての活動に拡張して適用されます。

このガイドラインは環境的に有益であると思われます。しかし、おそらく、イスラエル人が種を植えなかった年にどうやって食事をしていたかについて疑問に思う人もいるでしょう。彼らは私たちと同じようにこの質問をしました。聖書にはそのやりとりが記録されています。

17-18 神を恐れなさい。不当に高い値段をつけてはならない。わたしは主である。約束の国で安全に暮らしたければ、わたしのおきてに従いなさい。 19 そうすれば豊作に恵まれ、不自由なく安全に暮らせる。 20 『七年目は作物を作れないのなら、いったい何を食べたらいいのか』と言うのか。 21-22 心配はいらない。六年目を豊作にし、たっぷり三年分の収穫を上げさせよう。

レビ記 25:18-22

動物福祉への配慮

4 脱穀をしている牛に口かせをはめてはいけません。

申命記 25:4

イスラエル人は、家畜を適切に扱うように命じられました。彼らは、家畜が穀物を踏んでいる時に（脱穀するため）、その努力と仕事の成果の一部を奪ってはいけませんでした。

11 だとしたなら、このニネベのように大きな町をわたしが惜しまないはずがあるだろうか。そこには、霊的な闇の中にいる十二万の人々と、たくさんの家畜がいるのだ。」

ヨナ書 4:11

これは有名なヨナ書から来ています。この本では、ニネベの邪悪な住民に悔い改めを説くというヨナの呼びかけに従う前に、巨大な海洋生物がヨナを飲み込んでしまいました。彼らが神の説教を悔い改め、神の裁きを回避したことに腹を立てたヨナは、神に激しく不平を言いました。上の引用は彼の苦情に対する神の返答でした。神は、ニネベの人々に対する関心を明らかにするだけでなく、動物に対する関心も示しています。神は、ニネベの人々が悔い改めたために動物たちが救われたことを喜びました。

地球に害を与える者たちへの裁き

聖書の最後の書である黙示録は、私たちの世界の未来についてのビジョンを明らかにしています。予見される未来のテーマは、次の「審判」に焦点を当てています。この審判は、さまざまな理由で引き起こされます。

18 諸国の民はあなたに怒りを燃やしましたが、今度は、あなたの怒りが下される番です。今や、地を滅ぼす原因となった者たちが滅ぼされる時が来たのです。死者がさばかれ、あなたに忠実に仕えた者が報いを受ける時です。預言者も、クリスチャンも、すべてあなたの名をほめたたえる者は、小さい者も大きい者も、あなたから報いを受けるのです。」

ヨハネの黙示録 11:18

つまり聖書は、人類が所有者の意志に沿った方法で地球とその生態系を管理する代わりに、「地球を破壊する」だろうと予言しているのです。これにより、有罪者を破滅させる判決が下されることになります。

私たちが地球を破壊しているという「終わり」の兆候にはどのようなものがあるのでしょうか？

²⁵ それから、天に不思議な現象が起こります。太陽と月と星には不吉な前兆が現れ、地上では荒れ狂う海と高潮のために、諸国民はおじ惑います。

ルカの福音書 21:25

⁸ 次に、第四の天使が鉢を太陽にぶちまけました。すると太陽は、すべての人を火で焼く力を得ました。 ⁹ 人々は、その激しい炎熱に焼かれながらも、なおその心や態度を改めて、神の栄光を恐れようとはせず、かえって、災害をも支配される神の御名をのろいました。

ヨハネの黙示録 16:8-9

2000年前に書き留められたこれらの兆候は、地球温暖化の一環として今日私たちが目撃している海面上昇と海の嵐の激しさのように見えます。おそらく私たちはこの古代の警告に耳を傾けるべきでしょう。

環境を助けるために私たちに何ができるでしょうか?

より良い環境を目指して私たちが取り組むことができるいくつかの方法を次に示します。

• 製品をリサイクルする前にできる限り再利用することで、廃棄物の排出量を減らします。紙、プラスチック、金属など、加工して再利用できるものはリサイクルしてください。
• プラスチックは環境に悪影響を与えるため、プラスチックの使用を減らすことが簡単な第一歩です。ペットボトルの水を買う代わりに、水筒を持ち歩くなどの簡単な対策ができます。ビニール袋を再利用しましょう。食品を保存するには金属製またはガラス製の容器を使用してください。一部のスナックや食品は依然としてプラスチックで包装されています。これらをまとめ買いして、再利用可能な容器に保管してみるとよいでしょう。
• 水は環境の重要な側面です。使用しないときは蛇口を閉めるなどの対策をして水を節約しましょう。水漏れするパイプや蛇口を修理します。
• エネルギー効率の高い製品を使用してください。たとえば、エネルギー効率の高い電球を使用すると、(二酸化炭素排出量が少なく) 環境に優しいだけでなく、電気代も節約できます。
• 自家用車ではなく公共交通機関を利用しましょう。車の利用は、徒歩やバスに乗るよりもはるかに便利なので、これは必ずしも簡単なステップではありません。しかし、短い距離を歩いて運動をし、環境保護の一歩を踏み出しましょう。天気が良ければサイクリングに挑戦してみてください。化石燃料を燃やす車の代わりに電気自動車を購入することも、車による二酸化炭素排出量を削減できる方法です。
• 環境に害を与えない、環境に優しい製品を使用してください。これらには、オーガニック食品や生分解性の洗剤が含まれます。 
• ゴミを捨てないでください。ポイ捨てのため、多くのプラスチックが海や淡水域に流れ込みます。
• 小さな変化が大きな変化を生みだす可能性があることを忘れないでください。環境保護に向けてどのような一歩を踏み出しても、それを生涯を通じて維持し続けることができれば、大きな違いが生まれます。
• これらのヒントや戦略を他の人に伝えてください。
• 環境とそれを保護することの重要性について人々、特に若い人たちに教育してください。ソーシャルメディアは私たちの生活の大きな部分を占めています。ソーシャルメディアを使用して、環境問題とそれを保護する方法についての情報を共有しましょう。
• 他の人に模範を示すことができるように、これらの予防策を実践してください。人は、他の人がそれを実践しているのを目撃すると、新しい習慣を取り入れる可能性が高くなります。