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受難週間の出来事

5日目: 裏切り者のサタン、攻撃するために巻き付く

ユダヤ人はさまざまな形で迫害され、嫌われ、恐れられ、虐待を受けてきました。これは聖書にも聖書以外の歴史にも記録されています。もちろん、多くの人が他国による迫害や差別を経験しています。しかし歴史は、必然的に他の集団よりも、ユダヤ人を独特な方法で標的にする傾向を示しています。特にユダヤ人に対する差別を表す言葉として、「反ユダヤ主義」という特別な言葉があります。これは、永続的に続く彼らへの差別の特異性を示しています。しかし、反ユダヤ主義の最も不可解な点は、それが、ある時代、ある地域、あるいは少数の加害集団に限定されないことです。   反ユダヤ主義の出来事の簡易リスト たとえば、次のことを考えてみてください。 反ユダヤ主義の原因 しかし、何が反ユダヤ主義を引き起こすのでしょうか?ウィキペデアの反ユダヤ主義に関する記事では 、反ユダヤ主義の、歴史や文化を超えた多くの事例を示していますが、 それを説明する決定的な原因を指摘することはできません。どのような説明でも難しいことは、反ユダヤ主義の広さと長い歴史の両方を適切に説明できないことです。人種的な原因ではナチス由来の反ユダヤ主義を説明できるかもしれませんが、中世のキリスト教の反ユダヤ主義を説明することはできません。キリスト教とユダヤ教の論争はキリスト教の反ユダヤ主義を説明するかもしれませんが、ドレフュス事件で10年以上もフランスを混乱させた19世紀のフランスの反ユダヤ主義は説明できません。そして、アッシリア人、ペルシア人、ギリシャ人、ローマ人の古代の反ユダヤ主義も存在するのです。 反ユダヤ主義の根本原因についての聖書 しかし、聖書は反ユダヤ主義の背後にある原因を単純明快に説明しています。それは本の最初から最後までにわたるものです。初めに、アダムとイブの不従順の後、神は蛇に呪いを宣告しました。そして、蛇と「女」との間の「敵意」の型を預言しました。その女性はイブではなくイスラエルのことです。(詳細はこちら) そして、聖書の最後、ヨハネの黙示録で、その対決について言及する幻が描かれています。それは「蛇」と「女性」を特定するものです。幻は次のとおりです。 1 また、やがて何かが起こることを暗示する、大きなしるしが天に描き出されました。一人の女が太陽をまとい、月を踏みつけ、十二の星の冠をかぶっている姿が見えました。 2 この女は妊娠しており、陣痛の苦しみにうめいていました。 3 そこに突然、巨大な赤い竜が現れました。七つの頭と十本の角を持ち、七つの冠をかぶっていました。 4 そして、しっぽで天の星の三分の一を払い落とし、地上にばらまきました。また、子どもを産もうとしている女の前に立ちはだかり、生まれおちた子をすぐに食べようと、待ちかまえていました。 5 女は男の子を産みました。将来、その子は強大な権力を握り、すべての国の王になると約束されていたのです。その子は神のそばの王座へ引き上げられ… 9 こうして、この巨大な竜、悪魔またサタンと呼ばれ、全世界をだまし続けてきた古い大蛇は、手下もろとも、地上に投げ落とされてしまったのです… 13 竜は自分が地上に投げ落とされたことに気づくと、男の子を産んだ女を追いかけました。 ヨハネの黙示録 12:1-5, 9, 13 敵意は特にその女の子供に その女性から生まれた子供がイエスです。この女性はイエスの出身であるユダヤ民族です。「竜」とも呼ばれる蛇はサタンであると見なされています。園に戻ると、神は女性(イスラエル)と蛇(サタン)の間には「敵意」が生まれると言いました。歴史は反ユダヤ主義が常に繰り返されることを記録しているのです。反ユダヤ主義がさまざまな社会状況や加害国から生まれていることは、この敵意が永続的な現実であることを示しています。 しかし神はまた、その女の子孫(子)、対する敵意も預言しています。受難週の5日目の木曜日に、竜が御子を攻撃するために立ち上がったときに、この敵意が高まるのを目にします。私たちはユダヤ人の視点からイエスを見てきました。聖書はイエスをユダヤ民族の原型として描いています。(それについての記事はここにあります)したがって、その女性の子孫も同じ敵意を経験するのは驚くべきことではないのです。 ドラゴンに支配されたユダ 聖書はサタンを裏で憎しみや陰謀を操る支配的な霊として描いています。サタンは、 イエスを含むすべての人に自分を崇拝させようと企んでいました。それが失敗に終わると、自分の計画を実行するためにに人々を操り、イエスを殺害しようとしたのです。サタンは5日目、イエスが再臨について教えた直後に、ユダを使ってイエスを殺害しました 。その記述は以下の通りです。 1 さて、過越といわれている除酵祭が近づいていました。 2 祭司長たちや律法学者たちは、どうかしてイエスを殺そうと計っていた。民衆を恐れていたからです。 3 そのとき、十二人の弟子の一人イスカリオテのユダの心に、サタンが忍び込みました。 4 ユダは祭司長や神殿の警備隊長たちのところへ出かけ、イエスを彼らに売り渡すのに、一番よい方法を協議しました。 5 彼らは大喜びし、ユダに報酬を与える約束をしました。 6 それでユダは、群衆が回りにいない時に、ひそかにイエスを逮捕させようと、チャンスをうかがい始めました。 ルカの福音書 22:1-6 サタンは彼らの対立を利用してユダに「侵入」し、イエスを裏切らせました。これは驚くべきことではないのです。黙示録の幻はサタンを次のように描写しています。… Read More »5日目: 裏切り者のサタン、攻撃するために巻き付く

3日目: イエスは「枯れる呪い」をかける

1867年、著名なアメリカ人作家 マーク・トウェインはイスラエル(当時のパレスチナ)の地を訪れました。彼はイスラエル中を旅し、観察したことをベストセラーの著書『イノセント・アブロード聖地初巡礼の旅』に書き記しました。彼は自分が見たものを「魅力のない」「見苦しい」「荒涼とした」といった言葉で表現しました。トウェインはこのように書いています。 「パレスチナは荒布と灰の中に座っている…。荒涼としていて愛らしくない。」 イノセント・アブロード トウェインはエズレル渓谷について次のように書いています。 「感情的な光景は……もう谷間にはない。どちらの方向に30マイル先まで、この全域には一つとして村がない。ベドウィンのテントの小さな集落が2~3つあるが、恒久的な住居は1つもない。この辺りで、10マイル走っても、10人の人間を見かけないことを見かけることはない。」  イノセント・アブロード 彼はガリラヤを次のように描写しました。 「人を憂鬱にする一種の孤独感…それを感じるためにガリラヤに来てください…人気のない砂漠、不毛の錆びた山は、決してその厳しい輪郭から眩しさを振り払うことはなく、ぼんやりとした遠近感へと消えていきます。カファルナウムのあの憂鬱な廃墟、葬儀用のヤシの木下で眠っているこの愚かなティベリアの村…」 イノセント・アブロード タボル山 … 「静かな平原にポツンと立っています…荒涼とした…全行程で人間を一度も見たことがありません…どこにも木や低木はほとんどありませんでした。このような価値の無い土壌でも生きていけるようなオリーブの木やサボテンさえも、この国をほとんど見捨てていました。」 イノセント・アブロード 荒れ果てた土地、それとも「牛乳と蜜の流れる」土地? マーク・トウェインは特に当惑しました。なぜなら、彼が見たものは、聖書で読んだ内容と全く一致しなかったからです。聖書聖書では、強力な王が人々を支配し、大勢の人々がイエスの周りに群がり、以下のような内容が繰り返し書かれていました。 22 …乳とみつの流れる地です。 エレミヤ書 32:22 では、その土地に何が起こったのでしょうか? それを説明するのがこの火曜日、つまり受難週の3日目にイエスの言動です。イエスは、象徴的な表現と当時の人々に対する辛辣な批判に満ちたことをふんだんに行いました。そうすることで、彼は演劇の才能を発揮しました。それは、今日才能のあるユダヤ人の仲間たちから定期的に見られるものと同じです。 機知に富んだ才能豊かな批評家の現在と過去 辛辣な批評、皮肉たっぷりのドラマ、そして象徴的な糾弾を演出することで、最も才能があり有名な人物の中に、ビル・マー、セス・ローゲン、イヴァン・アーガント、サシャ・バロン・コーエンがいます。   米国で最も人気のある深夜番組の1つである『リアルタイム ウィズ ビル… Read More »3日目: イエスは「枯れる呪い」をかける

2日目: イエスが選ばれる

リチャード・ワームブランド、イヴァン・アーガント、ナタン・シャランスキーは、非武装の市民抗議運動家のユダヤ人の精神を代表しており、強力で権力を乱用する組織に異議を唱えてきました。彼らは率直さにより、批判している組織の標的となってしまいました。その点で彼らは、同じユダヤ人であるナザレのイエスの足跡をたどることとなりました。 信仰のために受けた拷問–リチャード・ワームブランド リチャード・ワームブランド (1909-2001) はルーマニアのユダヤ人で、後にルター派の司祭となりました。ルーマニアが共産主義による無神論を徹底していた時代に、彼は聖書に基づいて、公然と教えを説いていました。当局は彼を1948年から1956年まで投獄し、そのうちの三年間は光のない地下穴で独房監禁されていました。釈放後、彼は地下教会の指導を再開しました。そこで当局は1959年から1964年にかけて彼を再び投獄し、頻繁に拷問をしました。彼の窮状を訴える国際的な運動により、当局は最終的に彼を欧米に釈放したのでした。 有罪判決による中止–イヴァン・アーガント イヴァン・アーガント(1978年生まれ)は、「イブニング・アーガント」と呼ばれるロシア国営テレビで最も人気のある深夜トーク番組の司会を務めてました。彼は、 「ザ・トゥナイト・ショー」や 「ザ・レイト・ショー」などといったの有名なアメリカの深夜トーク番組の形式を模倣しました 。イヴァン・アーガント氏は2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻に抗議したことで有名になりました。彼は自身のインスタグラムアカウントに「戦争に反対」と投稿したのです。侵略に対して反対することは違法である国において、これは大胆かつ注目度の高い行動でした。その後、ロシアのチャンネルワンは彼の深夜番組を中止しました。そしてその後間もなく、イヴァンはロシアを離れ、イスラエルに現れ他のでした。 才能を理由に拒否された–ナタン・シャランスキー 物理学者、数学者、チェスの天才として知られるナタン・シャランスキー(1948年生まれ)は、ソ連で最も有名な『拒否された者』の一人となりました。それは、1960年代と1970年代にイスラエルへの出国ビザを拒否されたソ連系ユダヤ人のことを指します。ソ連当局は1973年、物理学の研究により国家機密にアクセスできるという口実でシャランスキーの出国ビザを拒否しました。その後、シャランスキーは1970年代にイスラエルへの移民許可を拒否されたすべてのソビエトユダヤ人のための公的活動家となりましたが、これはソビエト政権下では危険な行為でした。1977年にKGBに逮捕された彼は、当局によって刑務所や強制労働収容所を転々とさせられました。彼もまた、リチャード・ワームブランドのように、彼の苦境を訴えた国際運動に応じて、1986年にミハイル・ゴルバチョフによって解放されました。その後、シャランスキーはイスラエルに移住し、そこで政治家として成功を収めました。    完璧なタイミングで選ばれた–イエス  ナザレのイエスもまた、強力な官僚制度に対して大胆な抗議を行い、大きな危険を冒してでもこの活動主義の傾向を示しました。しかし、彼の行動のタイミングを計り、それを過去の時代を決定づけた出来事と結び付け、私たちに影響を与える将来の自由へと導く能力は、依然として比類のなきものです。私たちはイエスをユダヤ人の視点から見てきましたが、ここでは彼の抗議活動を検証し、その驚くべきタイミングとその意味を解き明かします。イエスをイスラエルと見なす説の具体な事例を検討した後、ここでそれについて考察していきます。 受難週の二日目、イエスは抗議活動をまったく新しい次元の抗議を行い、歴史を永遠に変えることとなる一連の出来事を引き起こしました。  日付の重要性 イエスは、 数百年前に預言されたまさにその日にエルサレムに入城し、自分がキリストであり、 諸国民への光であることを明らかにしました。その日は、ユダヤ暦ではニサン9日の日曜日、受難週の初日でした。トーラー(律法)の規定により、 翌日、ニサンの10日はユダヤ暦の特別な日でした。モーセはずっと昔から過越祭の準備の手順を定めていました。 1 さて、主はモーセとアロンに言いました。 2 「これから今月をユダヤの一月(太陽暦の三月中旬から四月中旬)とし、一年で最も重要な月とする。 3 イスラエル人全員にこう布告しなさい。毎年この月の十日に、家族ごとに子羊を一頭用意しなければならない。 出エジプト記 12:1-3 そのため、モーセ以来、毎年ニサン10の日になると、ユダヤ人の各家庭では、来たる過越祭のために子羊を選ぶことになりました。それはその日にしかできない事でした。イエスの時代、ユダヤ人はエルサレムの神殿で過越祭の子羊を選びました。この場所は、2000年前に神が息子を犠牲にすることで、アブラハムを試みた場所と同じ場所でした。現在、ここはユダヤ教の神殿の丘、イスラム教の アルアクサ・モスクと岩のドームのある場所となっています。   つまり、ユダヤ暦のある特定の日(ニサン10日)に、ある特定の場所(神殿の丘)で、ユダヤ人は各家庭ごとに過越の子羊を選びました。膨大な数の人や動物、物々交換の騒音、外国人との交流(ユダヤ人はさまざまな場所から来たため)により、ニサン10日の神殿は熱狂的な市場と化していました。福音書には、その日イエスが何をしたかが記録されています。ここで出てくる、「翌日」は、エルサレムにイエスが入城した日の翌日、つまりニサン10日、ユダヤ人が神殿で過越祭の子羊を選ぶ日です。 神殿の清め 12 翌朝、ベタニヤを出たイエスは、途中で空腹になられました。 13 ふと見ると、少し離れた所に、葉の茂ったいちじくの木があります。近づいて、実がなっているかどうかごらんになりました。ところが、その木は葉ばかりでした。まだ実のなる季節ではなかったからです。 14 それでイエスは、その木に向かって、「二度と実をつけることがないように」と言われました。弟子たちはこのことばを心にとめていました。 15 エルサレムに着くと、イエスは宮に入り、境内で商売をしていた者たちを追い出しにかかって、両替人の机や、鳩を売っていた者たちの台をひっくり返されました。 16 また、いろいろな荷物を持って境内を通り抜けることも、お許しになりませんでした。 17 そういう人たちに、イエスは、このように言われました。「聖書には、『わたしの家は、世界中の人たちの祈りの場所と呼ばれる』と書いてあるではありませんか。それなのに、あなたがたはここを強盗の巣にしてしまったのです。」… Read More »2日目: イエスが選ばれる